虎子
Information
- 遺物番号 扶余-002480
- 漢字名 虎子
- 国籍・時代 韓国-百濟
- 出土地 扶余郡扶余邑軍守里
- 材質 土製-瓦質
- 文様
- 銘文の内容
- 用途 生活用品-衛生用品
- 大きさ 高さ 25.7 長さ 26.0 口径 5.8
- 指定区分
- 参考図録 国立扶余博物館小図録(2011)
- 展示位置 第2展示室
扶余・軍守里から出土した女性用小便器と推定される。前が丸く両側に取っ手があり、後ろは細くなってシャープに上へ反る形で仕上げられている点が虎子とは異なる。縁に巡らされた陰刻線というシンプルな装飾が施されている。全体的に、生活器物として本来の機能を果たすことができるようシンプルでありながら曲線の美しさが感じられるようになっており、百済の職人の技量と美的感覚を感じることができる。古代社会ではトイレや便器は上流階層が使ったと推定されるので、発見の事例も少ない。しかし、軍守里からは男性用と女性用の便器が出土しており、扶余と益山からも出土例が見られる。
扶余・軍守里から出土した土器。形が虎に似ているから虎子と名付けられた。男性用小便器と推定される。形は中国の陶磁器に由来し、泗沘時代になって土器として製作された。軍守里寺院跡から出土した虎子は入り口が高く、脚がまっすぐ伸びているという特徴を持つ。形が堂々として安定感があり、実用的である。泗沘時代に製作された百済の土器は器種に富む。壷、皿、碗、盒などの日常品の他にも、油皿、硯、便器などの特殊用途の、独特な形の土器も作られた。これにより、百済土器の多様な様相とともに、泗沘都城での生活像を垣間見ることができる。